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心の健康を育むブレインジム~自分と出会うための身体技法

更新日:2020年11月13日

心の不調は、治療者と患者・家族の二人三脚で行われる。治療者に頼るだけでなく、患者自らが自己治癒力を引き出す努力をすることが大切である。



あとがきから

 私(五十嵐郁代)は、二歳の頃から中学を卒業するまで瀬戸内海の島で育ちました。島々を行き来する交通手段は船しかなく、橋を通って本州に行けるようになるとは夢にも思わなかった時代でした。その頃の生活は若い人には想像もつかないかもしれません。冬になると暖を取るために、母が朝早くから炭や練炭をおこしていました。お湯の出ない水道の水は冷たく、顔を洗うのが嫌になる日もありました。夏には、一日たった二時間の給水で、水は大変貴重でした。夏の間は、当然、入浴はできません、それぞれの家で、甕に貯めたり公共の井戸を使ったりして、何事にも時間がかかり不便を感じていましたが、みんな工夫をこらして生活をしていました。子どもたちは何かしら家の手伝いをするのが当たり前で、私も毎日、家の掃除、食器の後片付け、薪やオガライトを使ってのお風呂沸かしなどの手伝いをしました。辛いこともありましたが、祖母が海や山に連れて行ってくれ、自然の中で体を使って遊ぶ毎日でした。海で拾ったつぶ貝をゆでたり、山で摘んだヨモギをおだんごにしたりして、おやつにしていました。まだ自然との共生が残っている時代に育ったので、自然に対する愛情や畏怖の念と共に<あるがままに>という生き方が私の中で育っていったように思います。そういう風に自然とマイペースでいることが普通だったので、ブレインジムという技法にしっくりきたのかもしれません。

 ブレインジムを創ったポール・デニソンは、「自然の中で遊ぶ時間の多い子どもたちにはブレインジムは必要ない。生活が便利になるにつれ、身体を忘れてパソコンやスマートフォンで四六時中ゲームに興じる子どもに、二次元的な視覚しか育たないことを心配している」と言います。便利になって身体を忘れつつある時代の流れに求められて、ブレインジムという技法は生まれました。

 大人も子どもも、




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